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新刊のお知らせ Psychology for Language Learning: Insights from Research, Theory and Practice [社会と言語]

新刊のお知らせ

私の属する研究グループで書いた論文が、この夏に発行される教育専門書のうちの一章として発表されることになりました。もちろん私の名前も著者の一人として載っているはずです。今まで参考書問題集を発行したことはありますが、専門書は初めてなので、なんだかわくわくします。教育における心理的な側面に興味がある方は、ぜひお手にとってみて下さい。発行は8月3日の予定です。現在Amazonで予約を受け付けていて、価格は2840円のようです。

書名:Psychology for Language Learning: Insights from Research, Theory and Practice
編者:Sarah Mercer, Stephen Ryan, Marion Williams
出版社: Palgrave Macmillan
発売日: 2012/8/3

2012年度 東大入試前期英語についての分析 [東大受験]

2012年度 東大入試前期英語についての分析

今年も2月25日と26日に東大前期試験が実施され、英語も26日に行われた。例年のことながら、今年の英語について簡単に述べてみたい。

昨日(27日)の各予備校の分析は以下の通り。
河合塾 易化
駿台 易化
代ゼミ 変化なし
 私は易化したと思う。まず長文が短くなった。ここ数年の長文3題(1(A)(B)と5)の合計単語数は2080(2009)→2037(2010)→2267(2011)→1683(2012)で、今年は2003年以降の10年間で最も少ない語数であった。もちろん分量と難易度はイコールではないが、無関係でもない。これ以外にも設問の形式等にもいくつかの易化要因があり、受験生は取り組み易かったことは間違いないだろう。各科類の合格者平均点は文Iは88点(昨年は84点)、文IIは83点(昨年は82点)、文IIIは81点(昨年は80点)、理Iは79点(昨年は73点)、理IIは79点(昨年は72点)、理IIIは93点(昨年は92点)と予想する。

以下各問に関する分析である。
1 (A)
河合塾 やや難
駿台 やや難
代ゼミ やや難
ワード数は255で平年なみ。読みやすさはFresch Reading Easeは30.9、Fresch-Kincaid Readabilityは12.0で、値としては1999年以来の難しさであった。ただ設問としてはそれほど取り組みにくいようにも思われない。もとの文からは相当書き換えてあるのだが、受験生が答えやすいように配慮したものと見られる。

1 (B)
河合塾 標準
駿台  やや易
代ゼミ やや難
昨年は1は(B)(C)に分けられていたのだが、今年は例年のように1(B)だけに戻った。特に難しい問題は見あたらない。

2 (A)
河合  標準
駿台  やや易
代ゼミ 標準
2は例年英作文パートだが、今年は2009年と2010年と同様に、2題のうち1つが英作文ではなくなってしまった。語彙力を測定するのに5問で大丈夫なのだろうか。やるなら20問以上は必要だと思える。「やや易」は駿台らしい論評だが、私の感想としては標準で。

2 (B)
河合  標準
駿台  やや難
代ゼミ やや難
また出た!仮定法を用いる英作文である。東大受験生であれば十分対策してあっただろう。しかもトピックは昨年の2(B)と類似している。流行のミラーニューロンの影響か。まあ標準的だろう。

3 (A)
河合  標準
駿台  標準(3全体で)
代ゼミ 難(3全体で)
リスニングに書き取り問題が復活した。大歓迎。もっと割合が高まってもいいのではないだろうか。私の印象としてはやや難で。1(b)のlifterなどは正答率がそれほど高いようには思われない。

3 (B)
河合  標準
駿台  標準(3全体で)
代ゼミ 難(3全体で)
私は「標準」で。この講義は面白かった。文化人類学にこういったアプローチがあるのだと気づかされた。Cultural Studiesの講義かと思った。

3 (C)
河合  標準
駿台  標準(3全体で)
代ゼミ 難(3全体で)
私はこれは「やや難」で。理由は、会話そのものが講義の内容から発展、ないしはずれているからである。もちろん講義の後に先生と生徒が講義の内容を発展させるのは全然構わないのだが、リスニングの問題としては直接関連あるものを出した方がいいのではないだろうか。

4 (A)
河合  標準
駿台  やや易
代ゼミ やや難
文法問題は今年も誤文訂正であったが、この問題形式は近年定着してきた感がある。東大の4(A)としては例年並みではないだろうか。「文法上あるいは文脈上」という問題文だったが、「文脈上」の設問は見あたらなかった。

4 (B)
河合  標準
駿台  (1) 標準  (2) やや難 (3) 標準
代ゼミ やや難
和訳問題。(1)はgive awayの意味、(2)はwriterlyの意味、(3)は修辞疑問が解答の中心になるだろう。さすが東大。例年通り和訳の問題の作成に力が入っている。私は「標準」で。

5
河合  標準
駿台  やや易
代ゼミ 標準
長文読解問題。本文の分量が2割程度減少したが、難易度としては変わらない印象であったので「標準」で。空所2, 3, 4, 5の順番が混ざっているが、予備校でこのような問題を作ったら不採用ではないだろうか。来年の東大模試はここも真似するのかなあ。

ところで1 (A)はどこかで読んだ気がしたのだが、駿台の論評でDavid GraddolのEnglish Nextだと分かった。自分のパソコンで検索してみたらpp. 52-53だった。私はこの人が2,3年前に来日した際の講演会も聴いたし、お話もさせていただいた。その後この本に関する小論も書かせていただき、これについては当ブログでもご紹介した。
http://craigfukuda.blog.so-net.ne.jp/2009-02-20
この本をネタにした問題は私も作ってみたことがあったのだが、自分でボツにしていた。残念。プリントにして配るくらいなら問題もなかっただろうが。ちなみにこの本はBritish Councilのサイトで検索するとダウンロードページに行き着き、無料で読むことができる。たぶん今でも可能なのではないだろうか。




2012年東大入試第一段階選抜予想の検証 [東大受験]

東大の第一段階選抜点結果 2012年度版

 今年も東京大学から、センター試験による第一段階選抜点(いわゆる足切り点)が発表されたので、三大予備校の第一段階選抜点予想が当たったかどうかを検証してみよう。過年度のデータは、このブログの過去の記事を参照いただきたい。
2011年のデータ
http://craigfukuda.blog.so-net.ne.jp/2011-02-16
2010年のデータ
http://craigfukuda.blog.so-net.ne.jp/2010-02-17
2009年のデータ
http://craigfukuda.blog.so-net.ne.jp/2009-02-12
2008年のデータ
http://craigfukuda.blog.so-net.ne.jp/2008-02-16 
2007年のデータ
http://craigfukuda.blog.so-net.ne.jp/2007-02-16
2006年のデータ
http://craigfukuda.blog.so-net.ne.jp/2006-02-16

さて今年は
・ 的中(誤差が1%つまり9点以内)3例
・ 甘すぎ(実際よりも低く見積もった)6例
・ 厳しすぎ(実際よりも高く見積もった)9例

 今年はまれに見るはずれの年となった。予想はずしナンバーワンは、代ゼミの文IIIの120点厳しすぎ(高く見積もりすぎ)であった。

 各予備校のずれの平均は以下の通り。今年はどこもはずれているが、毎年はずれる理III以外にも、文IIと文IIIで大幅に高く見積もりすぎたのが響いた。
 河合 51.2     駿台 46.7    代ゼミ 46.7


2011年度 東大前期の第一段階選抜点と各予備校の予想
文I
実際の選抜点 721
河合塾の予想 690 -31 甘すぎ
駿台の予想  695 -26 甘すぎ
代ゼミの予想 716 -5 的中
文II
実際の選抜点 670
河合塾の予想 745 +75 厳しすぎ
駿台の予想   755 +85 厳しすぎ
代ゼミの予想 747 +77 厳しすぎ
文III
実際の選抜点 632
河合塾の予想 749 +117 厳しすぎ
駿台の予想   750 +118 厳しすぎ
代ゼミの予想 752 +120 厳しすぎ
理I
実際の選抜点 770
河合塾の予想 758 -12 甘すぎ
駿台の予想    770 ±0 ズバリ的中
代ゼミの予想 752 -18 甘すぎ
理II
実際の選抜点 743
河合塾の予想 730 -13 甘すぎ
駿台の予想   745 +2 的中
代ゼミの予想 729 -14 甘すぎ
理III
 実際の選抜点 727(81%)
実際の選抜点 706
河合塾の予想 765 +59 厳しすぎ
駿台の予想   755 +49 厳しすぎ
代ゼミの予想 752 +46 厳しすぎ

2012年2月27日 福田哲哉

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